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はなぜ必要? 03/01/2013 11:45 #33

はなぜ必要?


科学コミュニケーションという概念は、一説には1980~90年代にイギリスで起きたBSE問題に端を発しているといわれています。農場で発見された「奇病」の確認の遅れ、行政とBSE専門委員会のコミュニケーション不全とそれに由来する行政の対応の遅れ、人間への感染の有無に関する科学的判断の甘さなどが複合的に絡み合い、最終的に人間への感染を政府が認めて必要な対策を講じるまでに15年を費やしました。これまでに各国あわせて208の人間への感染例が確認されています(厚生労働省報告、平成20年7月現在)。  BSE問題では、科学的に未解明の部分が多くあったこと、そのためにリスクを過小評価したことに加え、科学者と市民などそれ以外の人々の間で認識の乖離があった(科学論文に必要な正確さと価値観や社会が理解しうる事項との間に大きな隔たりがあった)ために、さまざまな対応が後手に回ったことが問題であったとの反省があります。この反省を踏まえ、諸事項に関して双方の相互理解や共通認識を創り上げる動き、つまり、科学コミュニケーションの概念が生まれました。  公害問題やダム建設などの都市計画、食品問題や環境問題などの中にも、科学コミュニケーションの不在のために起こった問題を探すことができます。日本でも福島第一原子力発電所の事故で科学者の発表する事項(科学者の科学)と私たちの理解(一般市民の科学)との間に大きな隔たりがあり、不安の一因となっていることは、ご覧のとおりです。  科学者の中にも様々な見解があり、社会はそのどれを採用したらいいのか、社会事情を鑑みて市民はどう判断したらいいのか、正解のない課題は世の中にたくさんあります。それらを解きほぐして市民に伝えるとともに、市民一人一人の意思決定に基づいて社会的に合意形成がなされた「持続可能な社会」を作って後世につなげていくために、科学コミュニケーションは必要なのです。

科学コミュニケーションのスタイル


科学コミュニケーションは、上記のような歴史的背景はありますが、そのような社会の課題に対して議論をすることのみに限るものではありません。子どもや親子に科学への入り口を広く示したり科学の深さを紹介したりするのも科学コミュニケーションです。また、ジャーナリズムの観点から科学コミュニケーションに取り組む雑誌・新聞記者やテレビ制作者や、より幅広で専門的な知識を準備して顧客の多様な質問に深く答える企業の広報など、科学コミュニケーションが組織の一機能を担うケースも増えてきています。 科学コミュニケーションの形式も多岐に渡ります。科学館で行うイベントや講座のほか、サイエンスカフェで専門家を招いて話を聞いたり語り合ったりするのもこれに入ります。また、通常年に一回行われるサイエンスフェスティバルのようなイベントのほか、科学コミュニケーターたちが集まって、日ごろの活動を紹介しあったり一つの問題を一緒に考えていったりする場もあります。また、最近では先の震災で被害を受けた地域に出前授業を届けに行く個人や団体がいますが、これも科学コミュニケーション活動と位置付けられています。科学グッズの制作やサイエンスライティングもまた、科学コミュニケーション活動の一つです。
Midori Takahashi
Chair of SKYSEF executive committee and SSH Research and Development Specialist, Shizuoka Kita High School, Japan

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